口腔筋機能療法(MFT)
MFT:Oral Myofunctional Therapy
咀嚼・嚥下・構音といった口腔機能の後天的な不調を改善するための、舌、口唇、頬などの口腔周囲筋のトレーニング。
小児、大人、高齢者など、幅広い年齢層の人に対し、必要であれば行う。
- ティップ
姿勢をよくしてスティックを口の前に持ち、舌尖で強く2秒押して2秒休む。
- ミッドポイント
スティックの先を舌背の真ん中に軽く押し当て、それを2秒舌で押し返し、2秒休む。
- スポットポジション
舌尖をスポットにつける。
- フルフルスポット
舌で左右の口角を交互に触れ、スポットの合図で舌尖をスポットにつける。
- ポッピング
舌を口蓋に吸い上げ、その後舌を離した際に「ポン」と音を響かせる。
- バイトポップ
舌を口蓋に吸い上げて奥歯をかみしめ、吸い上げたまま開口し、その後舌を離した際に「ポン」と音を響かせる。
- オープン&クローズ
舌を口蓋に吸いつけたまま、口を大きく開けたり咬んだりする(咬合時も口唇は開いている)。
- タングドラッグ(ドラッグバック)
舌を口蓋に吸いつけた状態で前後に動かす。舌が後ろに行くと、喉が下の方に膨れる。
- スラープスワロー
舌尖をスポットにつけ、上顎3番付近でストローをかみしめながら、口角付近からスプレーで水を吹き入れ、飲み込む(嚥下時の正しい舌の位置を覚える)。
- カッスワロー
指3本を縦向きに前歯で軽く咬んで大きな声で「カッ」と言う。
次にスプレーで3回ほど水を口の中に吹き入れ、3本指を咬んだままゆっくり上を向いて、水を飲みこむ。
そのまま指を2本にし、残りの水を飲みこむ。
- スクウォートスワロー
2本重ねたスティックを奥歯で咬み、スプレーで水を吹き入れ、舌尖をスポットにつけて飲み込む。
- サッキングスワロー
舌尖をスポットにつけ、上顎3~4番でストローを咬みしめ、口角付近からスプレーで水を吹き入れて、「チェッチェッチェッ」と3回サッキングして水を舌の上に引き寄せてから、口唇を開けたまま飲み込む。
- ポスチャー
舌尖をスポットにつけ、上顎3~4番でストローを軽く咬んだまま口唇を閉じ、30分ほどリラックスして過ごす。
- トラップウォーター
水を口に含み、舌と口蓋の間に吸い上げて飲み込まないようにしながら、2本重ねたスティックを奥歯で咬みしめ、水を飲みこむ。
または、水を口に含み口唇を閉じて下を向き、舌と口蓋の間に水を吸い上げて開口し、10秒間こぼれないようにする。
- ボタンプル
糸を通したボタンを前歯と口唇の間に置き、糸を引っ張って、ボタンが出ないように口唇を閉じる。
- リッププル
開口し、下唇に指を置いて下顎前歯から離すようにし、そのまま上唇を下方に引き伸ばす。
- リップシール
口唇でスティックを挟み、口唇を閉じる。
【高齢者向けトレーニング】
- 首の運動
①顔を左右に向ける。
②首を左右に倒す。
- 口の開閉運動
①ゆっくり大開口する。
②閉口してしっかり口唇閉鎖、しっかり奥歯を咬みしめ、舌を口蓋に押しつける。
- 口輪筋のトレーニング
①「う」の形に口をとがらせる。
②上下の歯列が見えるように「い」の口をする。
- 舌のトレーニング
①大開口し、舌を出す。
②そのまま舌を上唇にあてる。
③舌で口角に触れる。
- 口輪筋・頬筋・舌のトレーニング
①咬合したまま頬を膨らませ、舌を口蓋に押しつけて息が漏れないようにする。
②口唇を閉じたまま頬を強くすぼめ、頬筋を鍛える。
- 発声による舌・口唇の運動
①腹式呼吸で「エイエイオー!」と声を出す。
②口唇と舌をしっかり動かしながら「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」と言う。
③口唇と舌をしっかり動かしながら「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と言う。
- 誤嚥防止トレーニング
立ってテーブルに両手をつき、腹筋に力を入れて強く咳払いする。