セルフメディケーション税制という言葉は聞いたことがあるけど、よくわからない…。
医療に携わる者として知っておかなければ!と思い、調べてみました。
薬局などでお薬をよく買う人や、毎年確定申告をしている人は知っておいてもいい制度のようです。
この記事を読んでわかること
- セルフメディケーション税制とは?
- どのくらい控除になるの?【計算方法】
- セルフメディケーション税制を利用できるのはどんな人?
- どんな薬が対象になるの?
- 対象商品の見分け方
1.セルフメディケーション税制とは?
セルフメディケーション税制とは、薬局やドラッグストアなどで自分で薬を購入した分について、その金額や各自の所得税率・個人住民税率に応じて税金が控除される制度のことです。
薬の購入金額は、個人ではなく各家庭で合算できます。つまり、自分の薬の分だけでなく、家族の薬の購入金額も含むことができます。
2.どのくらい控除になるの?【計算方法】
セルフメディケーション税制は、年間12,000円以上、対象の薬を購入する家庭において適用することができます。
ここでの「年間」とは、”年度”ではなく”1月1日~12月31日の1年間”です。
計算式は、
減税額の計算式
(【1年間に購入した対象薬剤購入金額】ー12,000円)×【所得税率】
+(【1年間に購入した対象薬剤購入金額】ー12,000円)×【個人住民税率】
です。
所得税率は、課税所得金額によって決まります。つまり、収入が多い人ほど所得税率が高くなるため、納める税金が多くなる一方、セルフメディケーション税制での減税額も大きくなります。
個人住民税率は、基本的にはみんな同じで10%です。
たとえば、所得税率が20%の人が、対象の薬を1年間で20,000円分購入した場合、
(20,000円ー12,000円)×0.2
+(20,000円ー12,000円)×0.1
=1,600円(所得税から減税)
+800円(個人住民税から減税)
(合計)2,400円の減税
となります。
年間購入額から12,000円を超えた分の金額が減税になるのではなく、それに税率をかけた分が減税になるので、減税効果は少しです。
しかし、毎年たくさん薬を購入する人は、セルフメディケーション税制の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、対象医薬品の購入金額には上限があり、10万円となっています。
したがって、10万円以上購入している人は、年間購入金額を10万円として計算する必要があります。
3.セルフメディケーション税制を利用できるのはどんな人?
セルフメディケーション税制を利用するにはいくつかの条件をクリアしないといけません。
これらの条件をまとめました。
ぜんぶ当てはまれば、セルフメディケーション税制を利用できる!
🔲薬局やドラッグストアなどで、年間12,000円以上、対象の薬を購入している
🔲購入したときのレシートを1年分持っている
🔲通常の医療費控除を受けていない
🔲その年に健康診断を受けていて、検査結果を持っている
確定申告時に購入時のレシートを提出する必要はないようですが、申告書類の作成に必要になるのでしっかり保管しておきましょう。
また、万が一税務署から問い合わせがあったときのために、確定申告後も念のため5年間は保管してください。
通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、両方利用することができません。
その年にどちらを利用したらよいかは、どちらの方が控除額が大きくなるかを計算して決めましょう。
また、ここでの健康診断には、以下のものが含まれます。
対象となる健康診断
- インフルエンザ予防接種
- がん検診
- 職場で受けた定期健康診断
- 特定健康診査(メタボ検診)
- 人間ドック
つまりセルフメディケーション税制とは、きちんと健康診断を受け、自分で治せる病気は自分で治す人を応援し、年々財政を圧迫している医療費の削減を期待するものといえるでしょう。
4.どんな薬が対象になるの?
以下のような医薬品が対象になる可能性があります。
- 頭痛薬、解熱鎮痛薬
- 口内炎治療薬
- 目薬
- 胃腸薬
- 風邪薬
- 皮膚薬(にきび治療、湿疹・かゆみ止めetc.)
- 漢方薬(葛根湯など)
- 鼻炎薬
- 花粉症薬
- アレルギー用薬
- 禁煙補助薬
- 肩こり・腰痛薬
- 乗り物酔い薬
- 水虫薬
ドラッグストアで買えるすべての薬が対象になるわけではありません。
これらの医薬品のうち、いくつかの特定の医薬品が対象となります。
5.対象商品の見分け方
セルフメディケーション税制の対象商品の見分け方はいくつかあります。
セルフメディケーション税制対象商品の見分け方
- パッケージに青と白の「セルフメディケーション/税/控除対象」マークがある
- 購入したレシートで、対象商品名の前に★や〇などの印がついている
- 購入したレシートで、対象商品は区別されて記載されている
セルフメディケーションのマークは多くの対象商品に記載されていますが、表示義務はないためすべての対象商品に表示されているわけではありません。
また、対象商品は随時更新されているので、パッケージにマークがかかれていない場合はレシートや厚生労働省のHPにある対象商品一覧で確認した方がよさそうです。
まとめ ドラッグストアでたくさん医薬品を購入する人は検討すべき
今回はセルフメディケーション税制について調べました。
我が家は対象の医薬品を購入していませんでしたが、年間12,000円以上使っている人はセルフメディケーション税制の利用を検討してみてもよいのではないかな?と思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。お役に立ちましたらうれしいです!