カリエス処置(C処)
う蝕を削合・除去する治療。う蝕処置。
う蝕がエナメル質を超えると、象牙細管に細菌が侵入していく。
う蝕象牙質の脱灰や感染の程度で外層(第一層)、内層(第二層)に区分される。
どちらも細菌の酸の影響を受けた脱灰象牙質だが、脱灰による軟化が先行し、次に歯質の着色、細菌侵入が最後に続く。
C処では細菌感染がある外層のみ削合・除去し、内層は保存するが、外層・内層どちらも程度の差はあれど着色してやわらかい。
【最低限の侵襲で原因除去するMI(minimal intervention dentistry)の実現のために】
- う蝕検知液「カリエスチェック(ニシカ)」を使用する
カリエスチェックは細菌感染のあるう蝕象牙質外層のみ染色するので、除去すべき部分が判別しやすい。
- よく切れるスチールラウンドバーとスプーンエキスカベーターで削合する
う蝕象牙質の硬さを頼りに除去する方法。
よく切れるスチールラウンドバーとスプーンエキスカでできる限り削合したあとの残存象牙質の硬さは、ヌープ硬さ24.1±3.9KHNという報告、
細菌侵入領域のう蝕象牙質の硬さは、ヌープ硬さ20KHN以内であったという報告から。
よく切れるスチールラウンドバーで削合できる部分を削合し、露髄に注意すべき部位ではよく切れるスプーンエキスカで慎重に削合する。
注意点
- 回転している様子が目で見える程度の回転数で行う。
- よく切れないバーは、削合時に圧力がかかる原因となるため使用しない。
- スプーンエキスカも同様の理由で鋭利でないものは使用しない。