CMでも古くから見かけるモンダミン。
歯科医師としては 、これまでよく扱ってきたのはコンクールFやネオステリングリーンでした。
しかし、最近はモンダミンがよいと聞き、母校の大学病院でも今やモンダミンが置かれているのだとか。
そこで今回はモンダミンについて調べてみました。
この記事を読んでわかること
- モンダミンとは
- モンダミンの特徴
- モンダミンって効果あるの?
1.モンダミンとは
モンダミンとは、アート製薬から出ている医薬部外品の洗口液で、薬効成分として塩化セチルピリジニウム(CPC)が含まれています。
したがって、低濃度でも殺菌作用を示し、毒性や刺激が少なく、プラークの再付着の抑制や歯肉炎予防効果が期待できます。
また、ノンアルコール製品なので、ドライマウスの人でも使いやすいでしょう。
モンダミンには一般的なドラッグストアなどで購入できるものと、歯科医院でしか購入できないものとあります。
市販のものと歯科医院専売のものとの違いは、その薬効成分の含有量であり、当然歯科医院で購入できるものの方が効果が期待できるでしょう。
価格は市販のものの1.5倍ほどのようです。
歯科医院専売のモンダミンは、以下のような種類があります。
- 「モンダミンハビットプロ」…CPCの作用により、殺菌作用、プラーク付着抑制作用、歯肉炎予防効果を期待
- 「モンダミンリセットコートプロ」…pH調整剤により、飲食後すぐに使用することでむし歯のリスクを低減
- 「モンダミンワンショットプロ」…夜寝る前に特化したモンダミン
- 「モンダミンアライナークリアスプレー」…マウスピース矯正のマウスピースやホワイトニングのトレーなどに吹きかけて使用
- 「N.actオーラルリムーバルジェル」…往診などで有効。要介護の人で、口腔内にこびりついた、乾燥した痰などをスムーズに除去できるそう
- 「N.actマウスウォッシュスプレー」…上記ジェルで口腔清掃を行った後、最後の仕上げに使用するのがよい
自身の目的に合わせて使うことができます。
2.モンダミンの特徴
モンダミンの大きな特徴としては、洗口液を希釈せずにそのまま使用できる点でしょう。
その他の洗口液のほとんどは、原液を薄めて使用するのが一般的ですが、そうすると毎回の洗口液の濃度がバラバラになってしまいます。
きちんと効果的な濃度を毎回作り出すのは困難ですし、手間でもあると思いますが、モンダミンはその心配が一切ありません。
ボトルに入った洗口液をそのまま口に含んで洗口するだけですので、手軽で便利な製品ではないでしょうか。
3.モンダミンって効果あるの?
では、モンダミンにはどれほどの効果があるのでしょうか?また、そのエビデンスは出ているのでしょうか?
モンダミンの公式HPによると、社内研究の結果が掲載されています。
それだけでなく、全国の歯科大学と提携して行った研究結果も複数掲載されているので、一定の効果が期待できそうです。
たとえば、インプラント手術後にモンダミンを使用した例で、1週間後の抜糸の際に縫合糸に付着している汚れが少なかったり、使用している入れ歯に付着する汚れが少なくなったり、歯肉炎に対してよい効果を示したりしたことが報告されています。
まとめ 安全に口腔衛生を補助できるモンダミン
今回は現在歯科界で見直されているモンダミンについてまとめてみました。
毒性や刺激が少なく、洗口の濃度も気にしなくてよいので、安全に口腔衛生を補助してくれるのがとても魅力的な製品ですね。
普段から利用できるだけでなく、口の中にインプラントや入れ歯がある人も使うことができるため、手術後や歯肉の痛みや要介護状態などで歯磨きがうまくできない時に活用できそうです。
個人的には、自社の研究のみならず国立大学の研究室による研究結果も出ているところに信頼がおけると感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。何かのお役に立てればうれしいです!