妊娠中は危険な歯のトラブルが起きやすい?

これからママになる『プレママ』。

体調の変化やこれから待ち受ける出産に、いろいろと不安なことも多いと思います。

妊娠中の体調の変化は、実は歯にも影響を及ぼします。また、口の中の不具合は赤ちゃんに影響を及ぼしたり、ママの生活の質を落としたりしかねません。

プレママにはぜひ知っておいてほしいことは以下の3つです。

  1. つわりや食生活の変化により、むし歯や歯周病になりやすい
  2. 歯周病があるとおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性がある
  3. 妊娠中に歯が痛んでも、時期によっては治療ができない

あらかじめ知っておくことで対策を講じることができ、不安を減らすことができるのではないでしょうか。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

つわりや食生活の変化により、むし歯や歯周病になりやすい

妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって歯周病になりやすくなっています。

それに加えて、つわりで歯磨きができなくなったり、食生活が変化したりします。

特に、つわりは辛そうです…。ごはんのにおいも無理になるとか聞きますが、そんな状態では歯磨きもままなりませんよね。ほかにも、つわりによって食事が不規則になったり、少量を頻回食べたりと、食生活が変化しやすいと思います。

また、妊婦さんの診察でお話を聞いてみると、妊娠前ではそんなに食べることがなかったケーキやチョコレートなど、特定の食べ物を無性に食べたくなる方がいらっしゃいます。

歯磨きができず甘いものなどを口にする機会が増えると、むし歯や歯周病を発症しやすくなるので気をつけなければいけません。

歯周病があるとおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性がある

歯周病と早産や低体重児出産のリスクの関係が証明されています。

歯周病は歯茎やあごの骨の中で生じる炎症です。

口の中の炎症とおなかの赤ちゃんは離れているので関係がなさそうですが、この口の中の炎症によって生じる物質が血流にのって全身をまわり、早産や低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。

妊娠中に歯が痛んでも、時期によっては治療ができない

妊娠中に歯が痛くなってしまった場合、安定期でなければ治療ができないことがあります。

安定期とはおよそ妊娠15週~30週の頃です。個人差があり、安定期という決まった期間があるわけではありません。

歯が痛む原因にもよりますが、妊娠初期や妊娠後期の妊婦さんには以下のような歯科治療ができません。

  • レントゲン検査
  • 麻酔
  • 投薬(痛み止めや抗生物質の処方など)

赤ちゃんへの影響や妊婦さんの体への負担が大きくなるからです。痛みに対してできる治療が少なく、問題を解決できないことがあります。

しかし、一般的には安定期であれば、これらは問題ないとされています。

レントゲン検査は歯のレントゲンなのでおなかと距離がありますし、重たいエプロンような防護服を使うので赤ちゃんの被爆は考えにくいです。

麻酔も、一般的な歯科の局所麻酔であれば少量ですし、全身にまわる量も限られています。

しかし、影響は少ないといわれていても、0とは言い切れません。

大事な赤ちゃんですので、問題ないとされているけれど影響は0とは言い切れないことを説明し、患者さんと相談して治療をするかどうか決めますが、「0ではないのなら…」と我慢される方が多いです。

歯医者としては痛みを何とかして差し上げたいのですが、こんなときは「しんどいなかせっかく来てくれたのに何もできなかった…」と悲しくなりますね。

では、どうしたらいい?【解決策】

やっぱり、普段から定期健診やクリーニングにいらっしゃることをおすすめします!

妊娠中にむし歯などで歯が痛む場合は、たいてい妊娠前から放置していたむし歯が多いのです…。

もし定期健診でむし歯や歯周病が見つかればすぐに治療ができますし、早期発見は治療が大ごとにならずに済むので非常に重要です。

まとめ

以上の通り、赤ちゃんがおなかに来る前にむし歯や歯周病のリスクはなるべく取り除いておく方が安心ですね。

また、ママになる前から口の中をきれいにしておくことは、生まれてくる赤ちゃんにも良い影響を与えます。

(「これからママになる人が知っておきたい歯のこと」の記事もご覧ください。)

妊娠中の方やこれから子どもを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!

ママも元気に歯のトラブルがなく、赤ちゃんも元気にご出産されることを願っています!

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