子どもにむし歯を作らない!ママが知っておきたい5つのこと

最近年齢的にまわりがベビーブームで、幸せ気分をおすそ分けしてもらっています。

(ママは幸せとともに大変なことも多いと思いますが…)

新しい命はこれからたくさんの希望と可能性があって素晴らしいですね!

そんなあかちゃんがお腹の中にいる『プレママ』や、まさに今あかちゃん子育て真っ最中のママは日々色々と大変だと思いますが、歯医者としてはそんなママたちにぜひ知っておいてほしいことがあります。

それは、『むし歯予防はマイナス1歳から始める』ということ。

小さい頃からむし歯に気をつけてあげることは、その子の人生を左右するといっても過言ではありません!

大事なわが子がむし歯にならないために、ママたちが知っておきたい5つのことをご紹介します。

子どもがむし歯にならないためにママが知っておきたい歯のこと

  1. 虫歯は感染症!まずは感染させない
  2. ごはんやおやつに注意!”糖”の種類に気をつける
  3. 親子のスキンシップにも~歯磨きで細菌数を減らす
  4. おうちでも歯科医院でも~フッ素を利用する
  5. むし歯予防のサポートに!キシリトールを摂る
  6. 【番外編】子どもに「歯医者は怖いもの」と教えないで

1.むし歯は感染症!まずは感染させない

むし歯って感染症であると知っていましたか?

これ、けっこう知らない方が多いのです。

あかちゃんはお腹の中にいるときは無菌状態です。子宮から出てくる際に初めて細菌にさらされるのですが、口の中に関しては生後数か月はまだ無菌状態です。

ですが、かわいいかわいいあかちゃん!パパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃん、みんなスキンシップしたりしますよね。そう、無菌状態だったあかちゃんは、まわりの大人(や兄弟)からむし歯菌に感染してしまうのです。

論文によると、生後数か月でまだ歯も生えていないあかちゃんの口の中から細菌が見つかっています。

また、口の中にはたくさんの種類の細菌がいるのですが、子どもの細菌の構成(細菌叢)とママの細菌の構成は同じであるという研究結果も出ています。

(やっぱりママが一番子どものそばにいますもんね~)

むし歯菌は硬いもの(歯)にくっついて繁殖しやすいのですが、歯が生える前から注意が必要です。

それゆえ、あかちゃんに大人がかじった食べ物を与えたり、同じお箸を使ったりするのは避けましょう。

スキンシップはとっても大切ですが、ぜひ、あかちゃんにむし歯菌を感染させないような方法で愛情表現したいですね!

2.ごはんやおやつに注意!”糖”の種類に気をつける

甘いお砂糖は人間も大好きですが、むし歯菌も大好きです。

このお砂糖が歯によくないことはよく知られていますが、お菓子だけでなく朝昼晩の食事にもお砂糖は使われています。

また、お砂糖が入っていなくても、炭水化物は”糖”ですし、ミルクにも”乳糖”が入っています。

残念ながら「お砂糖が入っていないから」と安心はできないんですね~。

特に子どもが小さいときは胃が小さく、一度に食べられる量が少ないので、頻回に間食が必要ですよね。

したがって、糖を摂る頻度が多いほどむし歯のリスクは高くなりますが、小さい子どもは回数を減らすことができません。

どうしたらよいか?

ぜひ、糖の種類に気をつけておやつを選んでみてください!

同じ糖でも、むし歯になりやすい糖となりにくい糖があります。

食事の際はパンよりもごはん、おやつはチョコやアメ、グミなどのお菓子より、フルーツやお芋、おにぎりなどの方がいいですね。

これらを用意するママの手間は増えますが、成長期の子どもの健康にとってもこういったごはんやおやつの方が断然おすすめです。

3.親子のスキンシップにも~歯磨きで細菌数を減らす

「むし歯菌に感染させない」「むし歯菌のエサを与えない」に加えて、「むし歯菌を減らす」ことも大切です。

まったく細菌に感染させないことは不可能なので、口の中にいる細菌数をなるべく少なくしよう、ということです。

歯医者さんで汚れを染め出して歯磨きしたことがある人は分かるかと思いますが、歯にくっついた汚れってちょっとやそっとでは落ちないのです。残念ながらうがいなんかじゃ落ちません。

ぜひ、歯ブラシでしっかりとこすり取ってあげてください。

歯が生えてきたばっかりのあかちゃんは、ガーゼで汚れをぬぐい取ってあげてください。

小さい頃の口の中の感覚はとても敏感なのであかちゃんは嫌がりますが、徐々に慣らしてあげましょう。

少し大きくなってきて乳歯が複数本生えてきたら、子どもによっては顎が小さくて歯と歯が接触している場合があります。

乳歯の場合は歯と歯の間に隙間があるのが理想ですが、隙間がない子が多いですね~。

そんな場合は歯と歯の間からむし歯になりやすいので、歯ブラシに加えて糸ようじやフロスを使うことも強くおすすめします!

ぜひお子さんとのスキンシップの時間として、楽しんでやってみてください。

4.おうちでも歯科医院でも~フッ素を利用する

むし歯予防に有効な成分として唯一エビデンスが出ているのがフッ素です。

歯医者さんでクリーニングを受けた最後に塗られる甘酸っぱいジェル、あれですね。

あれは歯科医院専用で、フッ素が高濃度に含まれています。それよりは濃度が低いですが、家庭用フッ素ジェルもあります。

また、最近の歯磨き粉にはたいていフッ素が入っているので、ぜひパッケージを確認し、フッ素入り歯磨き粉を使ってみるのもよいかもしれません。

ただ、フッ素が効果を発揮するのは歯面の汚れをしっかり落とした場合ですので、まずは歯磨きですね!

5.むし歯予防のサポートに!キシリトールを利用する

そうは言っても、忙しいママはなかなか歯磨きの時間が取れなかったり、お菓子で簡単におやつを済ませてしまったりしますよね。

子どもがぐずったらジュースを与えてしまったり…。

そんなママをサポートしてくれるのがキシリトールです。

キシリトールはむし歯菌の性質を変えてくれる効果があり、べったりと歯面にくっつくむし歯菌を、ちょっと歯ブラシでこすっただけで落ちてくれるむし歯菌に変えてくれます。

これは診療室で実際に実感しました。3歳のお子さんでしたが、汚れを染め出したあとブラッシングするときにそれまでなかなか取れなかった汚れが、キシリトールガムを食べるようになったらするんと取れるようになっていました。パパ、ママ、お子さん自身の頑張りを感じた瞬間でした~。

キシリトールはガムやタブレットがあります。ものによっては糖が入っているものもあるので、歯科医院で売られているものや特定保健用食品(あのヒト型のマークがついているやつ!)がいいですね。

ただ、キシリトールガムにはアスパルテームという人工甘味料が使われているものがあり、発がん性が指摘されています。アスパルテーム不使用のものを選ぶようにしてください。

また、キシリトールの副作用として、たくさん摂取するとお腹がゆるくなることがあります!様子を見ながら利用してみてください。

6.【番外編】子どもに「歯医者は怖いもの」と教えないで

大事なお子さんがむし歯にならないことが一番ですが、万が一むし歯になってしまったときは歯医者さんに行くと思います。

そうなったときに大切なのが、「歯医者さんは怖くない」と思ってもらうこと。

そうでないと治療がスムーズにいかず、本人もトラウマになって自信を失い、ママも何回も連れて行かないといけなくなって大変、歯医者も早く良くしてあげたいのにできなくて悲しい…。

だいたいは大きくなってくるとどんな子でも上手に治療を受けられるようになってきますが、あまりにトラウマが深いと大人になっても歯科医院に行けなくて口の中がボロボロになってしまう人もいます。

たまに、「そんなことしたら歯医者さんに連れていくよ」とか「そんなだと歯医者さんに行かないといけなくなるよ」と声をかけているのを耳にしますが、お子さんが歯医者を「怖いところ」「自分にとって悪いもの」と思ってしまうと、結果的にその子自身にとってマイナスになってしまいます。

わたしもお子さんの診療のときは特にかける言葉に気をつけます。怖さを連想させる言葉や、「怖い?」といった言葉も使わないようにしています。なるべく楽しい話をしながら診察します。

敵は歯医者ではなくむし歯菌!歯医者はあなたの味方なので、嫌いにならないで~(笑)

まとめ

どれか一つをやるだけでむし歯が予防できる、というものではありません。

各項目の合わせ技でむし歯にならない合格点を目指す、というイメージです。

小さい子どもにとっては、歯科治療自体より食生活や歯磨き習慣や歯医者嫌いにならないようにすることの方が大切です!

これから生まれてくるあかちゃんを心待ちにしているプレママ、今まさに育児奮闘中のママにとって、何か参考になればうれしいです。

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