閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
OSAS:Obstructive Sleep Apnea Syndrome
睡眠関連呼吸障害の一つ。睡眠中に上気道が部分的あるいは完全に閉塞し、いびきや無呼吸が引き起こされる。
【原因】首周りの脂肪、扁桃肥大、舌根沈下、巨舌、小顎症、下顎後退
【症状】
- 日中の過度な眠気
- 日中の易疲労感
- 大きな、あるいは不規則ないびき
- 起床時の頭痛、倦怠感
- 十分に寝ても熟睡感がない
- 無呼吸
- 逆流性食道炎
- 夜間頻尿
- BMI≧25
【合併症】2型糖尿病、高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害、不整脈
医科からの紹介の場合
①問診する(初回来院時)
- 医科からの口腔内装置(OA)作製依頼の紹介状を確認(最近のものか?あまりにも古いと病状が変わっている可能性あり)
- いびきや熟睡感などの自覚症状の有無
- OAやCPAPの使用歴
- 全身疾患
など
②口腔内診査を行う
- 未治療の歯科疾患がないか
- 顎関節、咀嚼筋、顎運動などに異常がないか
これらに問題があれば、こちらの治療を優先する。重篤な場合はOA治療ができないことも。
③OA作製
- 術前にオーバーバイト、オーバージェット、開口量、咬合接触状態などを記録しておく(術後に副作用の有無を判断する必要があるため)
- 上下概形印象
- 最大下顎前方位を測定し、その8割の位置で舌圧子などを介して咬合してもらう(この時正中がずれないよう注意)
- この状態をシリコンバイトで咬合採得し、舌圧子ごと技工に出す
④OAお渡し、説明(2回目来院時)
- OAの使用方法、保管方法について説明
- OAの着脱練習
- OA使用時の注意点の説明
歯科から紹介する場合
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を受けたことがない患者に対し、歯科治療の際にSASが疑われた場合
- ご本人に説明、相談
- 同意が得られたら医科へ睡眠障害の精査依頼
- 診療情報提供書には、SAS疑いのための精査依頼であること、自覚症状、SASを疑う所見、エプワース眠気尺度(ESS)等の質問票の結果、OA治療の可否を記載する
- すでに重篤な歯科疾患などでOA治療が困難な場合は、その旨を記載する