シーラントって何?どんな効果があるの?

「シーラント」って聞いたことありますか?

お子さんを歯医者さんに連れて行った際に「シーラントしましょう」と言われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、聞いたことはあるけど詳しくわからない、どんな効果があるの?などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

なかなかいい治療(処置)なので、どんなものなのか、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

この記事を読んでわかること

  1. シーラントとは?
  2. シーラントをするタイミング
  3. シーラントの種類
  4. シーラントのメリット
  5. シーラントのデメリット

1.シーラントとは?

シーラントとは、子どもの歯科治療で行われる処置のひとつです。

通常、小学1年生前後に、乳歯列の一番奥に6歳臼歯(第一大臼歯)が生えてきます。この歯は噛み合わせや歯並びなどにおいて最も重要な歯なのですが、まだあまり自分で上手に歯磨きができない年齢のときに生えてきます。

また、全身のあらゆる組織の中で一番固い歯ですが、生えたてのときはやわらかく、非常にむし歯になりやすいのです。

特に、噛み合わせの面には細かな溝が多数あり、この部分の汚れを歯ブラシで除去するのは難しく、むし歯になりやすい構造をしています。

そのため、予防的にこの溝を埋めてしまって、むし歯になりにくいようにしましょう、というのがシーラントという処置です。

治療ではなく予防的処置ですので、歯を削ることはありません。

また、保険適用の処置なので3割負担の方でも1本500円程度ですし、子どもは医療費が無料の市区町村も多いですね。

2.シーラントをするタイミング

シーラントをするタイミングは、上下左右の6歳臼歯が生えてきたタイミングで行います。

場合によっては、12歳臼歯(第二大臼歯)にも行うこともありますし、特徴的な前歯が生えてきた場合などにも同様の予防的処置をすることがあります。

まれに乳歯の奥歯にもシーラントすることがあります。

シーラントをしなければむし歯になってしまうリスクが高いと歯医者さんが判断したら、「シーラントしませんか」とご相談があると思います。

3.シーラントの種類

シーラントには大きく2種類あります。

  • 一時的なシーラント

6歳臼歯がまだ完全に生えきっていない間に、粉と液を混ぜて練ったもの(カルボセメント)で溝を埋めます。

歯が半分出てきたくらいの、歯茎がまだかぶっているようなタイミングが一番磨きにくいのですが、同時に防湿(歯を乾いた状態にすること)が困難です。

そこで、防湿が困難な場合でも歯にくっつきやすいこの材料を使って、むし歯のリスクとなる溝を埋めてしまいます。

この材料は歯ブラシでこすると取れるので、歯が完全に生えきって防湿できるようになるまでの一時的なものです。

次の診療時に取れていたら「歯磨きがしっかりできているんだな」ということが見て取れますし、その場合はまたシーラントをし直します。

  • 半永久的なシーラント

6歳臼歯が完全に萌出し、防湿ができるようになったら行います。

むし歯の治療で使われる詰め物と似た材料で、歯が乾いた状態にしないと全く接着しない材料のためです。

溝に材料を流し込み、光をあてて固めます。

一時的なシーラントと異なり、丈夫な材料なので、噛み合わせなどの問題がなければ半永久的にもつこともあります。

4.シーラントのメリット

  • むし歯のリスクを減らせる

生えたての虫歯になりやすい歯に対し、物理的に磨きにくい溝を埋めてしまうことでむし歯のリスクを減らすことができます。

また、それだけでなく、シーラントに使われる多くの材料には「フッ素」という歯を強くする成分が含まれており、口の中で徐々に放出される性質を持っています。

したがって、化学的にもむし歯になりにくくしてくれます。

  • 歯を削る必要がない

シーラントは臼歯の噛み合わせの面の溝をただ埋めるだけの処置ですので、健康な歯を削ることはありません。

  • 色が白く、目立ちにくい

シーラントはどの種類のものも固まると白くなります。目で見て、歯との境目がまったくわからないというわけではありませんが、通常、普段の生活で気になることはありません。

  • 噛み合わせが変わらない

対合している歯との接触にはまったく関与しない溝の深い部分だけを埋める処置なので、シーラントをすることにより噛み合わせが変わったり違和感が生じたりすることはありません。

  • 保険でできる

保険内でできる処置ですので、気軽に受けやすいと思います。

5.シーラントのデメリット

きちんと処置したシーラントには、デメリットはひとつもありません。

しかし、防湿ができなかったり清掃不良のままシーラントしてしまったりすると、将来的に取れやすかったり逆にむし歯になってしまったりすることがあります。

なので、シーラントをするときは防湿や事前の清掃に十分注意して行います。

基本的にシーラントは、本当にメリットしかない処置と言えるでしょう。

まとめ 乳歯の奥におとなの歯が生えてきたらシーラントをしよう

以上より、シーラントは非常におすすめの処置です。

わたしも小さい頃に左右の下の6歳臼歯にシーラントをしてもらい、今もそのままです。

普段からかかりつけの歯医者さんで定期健診を受けていれば、歯が生えてきたタイミングでシーラントの必要性を診断してくれるでしょう。

将来のむし歯予防のために非常に有益な処置だと思います。

 

みなさんが安心してよい治療が受けられますように。何かのお役に立てればうれしいです!

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