インプラントの歴史も60年くらいになり、最近では欠損治療にインプラント治療を選択される人も増えてきました。
医学的観点からこの方にはぜひインプラントの方がいいだろうな、という場合もしばしばありますが、やはり問題はその費用です。
インプラントは自費治療になるので、どうしても数十万円~かかってしまいます。
今回は、こうしたインプラント治療の費用負担を軽減する方法をまとめました。
この記事を読んでわかること
- インプラント治療とは?
- インプラントっていくらかかる?
- インプラント治療には医療費控除が使える
- 【番外編】まれにインプラント治療が保険適用になることも
1.インプラント治療とは?
インプラント治療とは、歯がなくなってしまったところに人工のチタン製歯根を埋めて、上に歯を立てる治療のことです。
欠損部に歯を足す治療はインプラントのほかに、義歯やブリッジがあり、インプラント治療のみ自費治療となります。
そのメリットは多く、たとえば
- 両隣の残存歯を削らなくて済む
- 義歯よりずっとよく噛める
- むし歯にならない
- 白くてきれいなセラミックの歯が入る
- 周囲の歯の負担を減らす
などがあげられます。一方で、デメリットとしては
- 自費治療のため高額になる
- 外科的処置なので全身疾患によってはインプラント治療ができないことがある
- 歯周病にはなる可能性がある
- インプラントをした後、もし隣の歯がだめになったら基本的にはインプラントしか治療方法がなくなる
などがあります。
2.インプラントっていくらかかる?
インプラントは自費診療になるので、各歯科医院で設定された価格になります。
しかし参考までに、大学病院ではインプラント1本40万円ほどでした。
これはあくまで目安で、これに歯肉を整える処置や骨を足す処置などの必要なオプションが追加されると、費用はアップします。
反対にこれよりあまりに低い治療費の場合、非常に安価なインプラントが使われている可能性があり、あまりおすすめできません。
現在はスイスのメーカー「ストローマン」のインプラントが一般的です。
歴史もある程度長く、ストローマンのインプラントを用いた研究も多数されてきているので信頼できます。
また、インプラントは一度入れたら基本的には何十年も使っていくことになるので、将来的に修理などが必要になった場合、世界シェアが大きいストローマンは会社がつぶれてしまって必要な部品が手に入らない…などのリスクが低いのではないかと考えられます。
3.インプラント治療には医療費控除が使える
インプラント治療は数十万円~かかるので、複数本になれば数百万円になることもあります。
どんなに良い治療でも、あまりに高額だと家計を圧迫してしまいますよね。
少しでも費用負担を緩和する方法として、医療費控除の利用があげられます。
医療費控除とは、年間10万円以上の医療費(保険診療、自費診療含む)がかかった場合、確定申告をすることによって所得税が一部控除されるという制度です。
似たような制度で高額療養費制度がありますが、こちらは保険診療にしか適用できないのでインプラント治療は対象外となっています。
高額療養費制度ほど多くの還付はありませんが、医療費控除を用いて少しでも負担を減らしましょう。
通院にかかった交通費なども医療費控除の対象となるので、領収書や医療費明細書をしっかり保管しておいてください。
4.【番外編】まれにインプラント治療が保険適用になることも
基本的にはインプラント治療は自費ですが、以下の場合は保険適用となります。
インプラントが保険適用になる場合
- 生まれつき、あるいは病気や事故で顎の骨の1/3以上が連続して、ない
- 先天的に顎の骨が形成不全だと診断された
- 生まれつき6歯以上の欠損がある
上記に当てはまり、かつ以下のような施設でインプラント治療を受ける場合、保険適用になります。
インプラントが保険適用になる施設
- 歯科または歯科口腔外科を標榜する保険医療を行う病院
- 歯科または歯科口腔外科で5年以上の経験があり、かつ3年以上インプラント治療の経験がある常勤歯科医師が2人以上いる
- 当直体制が整備されている
- 医療機器や医薬品の安全確保のための体制が整備されている
インプラント治療が保険適用される条件はかなり厳しいですが、もし保険適用になった場合は高額療養費制度を活用することができます。
また、保険適用になるかどうかは街の歯医者さんでも診断できるので、気になる方は相談してみてください。
まとめ インプラント治療は医療費控除を使おう
今回は、高額になりがちなインプラント治療において、費用の負担軽減方法をまとめました。
自費のインプラント治療には医療費控除を使い、まれに保険適用となった場合は高額療養費制度を利用しましょう。
本当はインプラント治療を受けたいのに、費用面で断念する…そんなことが減ってくれたらうれしいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。